自動車保険自由化で何が変わった?
- 1998年から始まった保険自由化
- 思い返せば、損保会社が扱う任意の自動車保険は、長年、条件が同じなら保険料もすべて横並びでした。ところが、1997年12月に日米保険協議が決着し、1998年、自動車保険が完全自由化されてからというもの、契約条件が同じでも、A社が10万円、B社が12万円…… という具合に、保険料に明らかな格差が出るようになりました。
あれから3年以上が経過しましたが、テレビや新聞では、相変わらず「自動車保険料が最大40%OFF!」「走行距離に合わせた保険料でOK!」などという広告をよく目にします。「数社で見積もりを取って、他社に切り替えてみた……」という人も多いのではないでしょうか?
ちなみに、自由化前は、自算会(自動車保険料率算定会)という団体が算出した料率をすべての保険会社が使用するよう法律で義務付けられていましたが、1999年7月1日を境にその使用義務も廃止。自算会は「参考純率」を提供するだけで、各保険会社はそれを参考にするか、もしくは独自のデータによって保険料を決めてもよいことになったのです。
また、電話やインターネットによる通信販売が可能になったことや、「リスク細分型自動車保険」の導入などによって、保険料に大きな差が出るようになりました。保険料の格差だけでなく、各損保会社が様々なサービス合戦を繰り広げています。
- 自由化のメリット・デメリット
- では、自動車保険の自由化は、私たちにどのような影響をもたらしたのでしょうか?
- [1]保険料に格差が生まれた
自由化後は、契約条件が同じでも、会社ごとに保険料やサービス内容が異なっています。保険会社を上手に選択することで保険料を節約できたり、また、その逆もありうるのです。
- [2]ドライバーが評価される
保険会社によっては、免許証の色などにより、保険料に割引が適用されるような商品が登場しました。
- [3]契約の窓口や方法が広がった
これまでは、保険代理店を通しての契約が主でしたが、最近は通信販売やインターネットでの見積もり・契約など、加入する際の選択肢が増えてきました。
- [4]サービス競争が激化
自由化以降、各社がさまざまなサービスを打ち出しています。ユーザーには嬉しい内容も多いので、数社から見積もりを取り、それぞれがどんな付加価値を打ち出しているか調べておきたいものです。
- [5]保険会社の体力の見極めが必要
最近では、損保会社の合併や統合が多くありますが、各社の体力に差がつきはじめています。どの会社がもっとも信頼できるのか、各社の経営状態や株価などにも目を光らせていくことが大切です。