日常的に働いている中で、「退職」について考える場面に一度は直面する方が多いでしょう。給与面や家庭環境、会社の人間関係などさまざまな理由があり、退職について考えるタイミングも人それぞれです。
そんな中、辞めようと決意しても会社の上司から引き止められたり、脅されたりして身体的、精神的に辞めれないケースも出てきます。このような会社が簡単に辞めさせてくれないと悩んでいる方を支援するのが「退職代行サービス」です。
今回は退職代行サービスについて、サービス内容や利用するメリット、利用時の注意点などを詳しく解説していきます。
また、業界内の主な退職代行を行っている弁護士事務所や企業も一緒にご紹介しますので、そちらも一緒に参考にしていただければ幸いです。
退職代行とは
退職代行とは、退職希望者の代行役として働いている会社へ退職の意思表示や手続きを行うサービスです。退職代行サービスを利用するケースは人によって理由はさまざまですが、上司や同僚などのモラルやコンプライアンスに対しての意識の低い会社に起こりうる場合が多いです。
一例
- 辞めたくても会社から必要な引き止めがある
- 退職に対して損害賠償を請求すると脅される
- 仕事量が多く責任感のプレッシャーから辞められない
上記のような直接会社に退職届を出すのが困難な場面でも、退職希望者と会社の間に立って手続きを進めていくのでスムーズに退職を行えるのが退職代行サービスの特徴です。また、転職活動のサポートまで行う退職代行サービスも存在するのも魅力の1つといえます。
退職代行は失敗しないのか?
退職代行を利用するにあたって、失敗はしないのかと心配になる方も多いでしょう。中には「退職支援成功率100%」と発表している企業もあります。
この高い成功率には理由があり、どんな企業も退職の申し入れから2週間で退職できるという民法627条にもとづいた法律が存在するためです。もちろん自分で退職届を出してもこの法律は適用されますが、退職代行サービスによる退職支援により退職成功の確率は高くなります。
しかし、注意点として会社関係者の方と円滑な退職ができるかとは別の問題になってきます。サービス利用料もかかり、会社によっては引継ぎなどで退職日の延長を要求してくる場合も考えられるので、自分に必要なサービスなのか事前の確認が必要です。
引用:民法627条
退職代行が支持されている理由
近年、退職代行が支持されている理由をご紹介します。
- 自分から退職届を出せない
- 会社の圧力や引き止めが怖い
- 上司や会社関係者に会いたくない
- 退職の手間がなくなる
利用者によって理由はさまざまですが、特に多いケースを4つに分けてそれぞれ解説していきます。それでは、見ていきましょう。
自分から退職届を出せない
退職代行サービスは、自分から退職届を出したくても出せない人に支持されているケースが多いです。仕事を任されている責任感や役職によって、自分から言い出せない場合もあり、「どうしても会社に言い出せない」と退職を踏みとどまってしまう方もいます。
そのような場合に退職代行を活用すると、退職の意思表示を出してもらえるため退職もスムーズに行えます。
もちろん仕事の引き継ぎは行わないといけませんが、退職時の事務手続きを行ってもらえるので、退職したいけど手続き関係が全く分からない方にも安心して利用できる点も支持されている理由です。
会社の圧力や引き止めが怖い
退職の際に、会社からの執拗な引き止めや賠償金の請求をされるなどの理由で辞めたくても辞められない方はたくさんいます。
身体的・精神的圧力により、退職届を出すのが怖くなって退職代行サービスを利用するケースが、多くの方に支持されている理由の1つでもあります。
また、上司からの指示や命令に「NO」と言えない人も増えてきており、会社からの引き止めを断れない方から支持されている場合も多いです。
上司や会社関係者に会いたくない
退職の理由として、会社での人間関係が理由で辞める方は多いです。上司との人間関係が原因で、そもそも会社自体行きたくない方も多いでしょう。ですが、退職届を出すには直接上司や会社関係者に話し合い手続きしないといけません。
退職代行サービスを利用すると、会社関係者に会わなくても退職の意思表示や手続きを行ってくれます。それにより、退職手続きを対面で行うストレスが軽減され、ポジティブな退職が行えるとして支持されています。
退職の手間がなくなる
退職の手続きが面倒だと考えている方からも、退職代行サービスは支持を受けています。退職には、退職届を出したからと言ってすぐに退職できるわけではありません。
上司や会社関係者との面談・事務手続き・会社の制服や備品の返却など、さまざまな手続きを行う必要があります。
ですが、退職代行を利用すると退職に必要な手続きを行ってもらえるので、退職へのハードルが低くなりやすいです。仕事が忙しすぎて退職の準備ができない方にも、利用されている場合もあります。
退職代行を利用するメリット
退職代行を利用するメリットをご紹介していきます。
- 退職時の精神的ストレスが軽減される
- 退職手続きの手間がなくなる
- 上司や会社の人間に会わなくてよい
- 100%退職できる
- 会社から脅されても安心した対応をしてもらえる
- スムーズに退職ができる
大きく分けて上記の6つが退職代行のメリットです。それぞれ詳しく解説していきます
退職時の精神的ストレスが軽減される
退職代行を利用すると、退職時の精神的ストレスが軽減されます。自分で直接会社と退職についての話し合いを行うと、責任感や罪悪感から精神的ストレスがかなりかかります。
また、人によっては退職を切り出すタイミングに精神的ストレスがかかり、退職の意思表示すらできない場合もあるでしょう。このような場合に退職代行サービスを利用すると、代行で退職の意思を伝えてもらえるので、心理的にもかなり楽になります。
退職手続きの手間が軽減される
退職の事務手続きの手間がなくなるのも退職代行サービスのメリットの1つです。退職を悩む理由の1つに「事務手続きが面倒」という方もいます。社会保険や雇用保険、退職時の日付など退職をするにあたって手続きはたくさんあります。
退職代行サービスでは、退職の意思表示を代行で行ってもらえるほかに、事務手続き関係の支援もしてもらえます。不明点や会社への交渉などを退職代行サービスを通して会社とやり取りできるので、自分だけで退職を行うよりも事務手続きが軽減されます。
上司や会社の人間に合わなくてよい
退職の理由として、会社の上司や同僚などに対する人間関係の悪化があります。もし自分で退職届を提出しに行った際、関係が険悪な上司や同僚と話し合う場面も出てくるでしょう。
そんな場合でも、退職代行サービスを利用すると上司や会社関係者と合わずに、退職の手続きを行えます。会社関係者からの目を気にせずに退職の準備を進められるので、精神的苦痛を減らせる点でかなりのメリットになります。
100%退職できる
退職代行サービスを利用すると、100%の確率で退職ができます。理由としては、民法672条にある法律で定められているためです。
民法672条には、「解約の申し入れから2週間で退職できる」という決まりが定められているため、就業規則や労働契約で定められている規約よりも優先されます。これは大手企業やブラック企業であっても、この法律が適用されます。
また、引き止めがあった場合でも、退職代行サービスが会社の対応をしてもらえるので、退職希望者の意思が変わらない限りは100%退職できます。
会社から脅されても安心した対処をしてもらえる
退職代行サービスを利用する上で、会社から脅されても安心した対処を行ってもらえるメリットがあります。
退職の意思表示を行った際に、「退職するなら賠償金を請求する」などと退職希望者に対して脅す会社も中にはあります。そんな脅しに対しても、退職代行サービスが間に入って対応してくれます。
また、弁護士事務所が運営している退職代行サービスでは、弁護士にしかできない交渉もしてもらえるメリットもあります。
スムーズに退職できる
退職届を出す際に、会社とのトラブルでスムーズに退職できない場合があります。会社からの強引な引き止めや仕事の引継ぎ、上司からのパワハラなどで思うように進まないケースもあるでしょう。
退職代行サービスを利用すると、退職手続きの支援をしてもらえるのでスムーズな退職ができます。退職の事務手続きや給与・退職金の交渉、会社の制服や備品の返却方法などの手続きを行ってもらえ、中には転職についても支援してもらえる転職代行サービスもあります。
退職代行を利用するデメリット
退職代行サービスにはたくさんのメリットがある反面、デメリットもあります。
- サービス費用がかかる
- 退職癖が付きやすい
- 悪質な退職代行サービスと関わる可能性がある
- 上司や会社との関係が悪くなる可能性がある
上記4つが退職代行のデメリットになるので、それぞれ解説していきます。
サービス費用がかかる
通常は自分と会社で話し合い、退職手続きを進めるため費用はかかりません。ですが、退職代行サービスを利用すると、サービス利用に対する費用がかかります。
もちろん、費用相応のサービスの提供をしてもらえますが、退職に理解のある会社や人間関係が円満な環境であれば払う必要のない費用です。経済的に厳しい方や自分で退職届を出せそうな方は、サービスを利用する前に1度考えましょう。
退職癖が付きやすい
退職代行サービスを利用してしまうと、退職癖が付いてしまいやすいです。退職時に行う手続きや会社関係者との話し合いなどで、多少の苦労をしなければなりません。
しかし、退職代行サービスを利用してしまうと、この苦労がないので退職が簡単にできてしまいます。簡単にできる退職に慣れてしまうと、退職の手間を知らないので、次の会社でもすぐにやめてしまう傾向があるので注意が必要です。
悪質な退職代行サービスと関わる可能性がある
退職代行サービスを運営している機関の中には、悪質なサービスを提供している場合があります。以前は弁護士事務所の多くが退職代行サービスを提供していましたが、最近は一般企業も退職代行サービスを展開してきました。
そのため、退職に関わる労働法などを把握しておらず、法律に準じていないサービスの提供をしている企業もあります。サービスの値段の安さで利用を決めてしまうと、トラブルに巻き込まれる場合があるので注意しましょう。
上司や会社との関係が悪くなる可能性がある
退職代行サービスを利用すると、今まで仲良かった上司や会社との関係が悪くなる場合があります。本人から挨拶もなく退職を進めるため、いきなり会社に来なくなる流れになります。
上司や会社側からすると、今まで退職者に対しての厚意を裏切ったと感じ、人間関係の悪化の可能性はかなり高いといえます。現在の人間関係を重要視して円満な退職を行いたい方は、退職代行サービスの利用を見直す必要があります。
退職代行サービス料金の相場
退職代行サービスの相場は、一般的に3〜5万と言われています。運営している団体や提供するサービス内容によって変わりますが、安い場合だと1万円台で提供している退職代行サービスも存在しています。
もちろん、安ければ良いというわけではありませんが、じぶんにあったサービス内容と価格を比較する必要があります。また、退職代行サービスは比較的新しいサービスでもあるので、今後の価格競争が起こる可能性はあるでしょう。
退職代行サービス利用の基本的な流れ
ここでは、退職代行サービスの大まかな流れをご紹介します。
- 相談して利用を申し込む
- 退職者の情報を担当者に共有する
- サービス料金を支払う
- 今後の計画を打ち合わせる
- 計画をもとに退職手続きを行う
- アフターフォローを受ける
退職代行サービスによって流れは違いますが、大まかな流れはこの6ステップです。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.相談して利用を申し込む
退職代行を申し込む前に、現在の退職についての悩みを相談できます。
- 退職に必要な手続きは何があるか
- 退職代行サービスはどのような退職支援
- 自分の悩みは退職代行で解決できるか
などの相談ができ、相談方法は電話やメール、LINEでの対応を行っています。また、ほとんどの退職代行サービスが無料で相談に乗ってもらえるので、あらかじめ不安な点を相談を行い、自分に合ったサービスを見つけ申し込みをしましょう。
2.退職者の情報を担当者に共有する
利用する退職代行サービスを決めて申し込みを終えると、担当者と情報を共有します。
情報としては、利用者の個人情報(氏名・生年月日・住所・電話番号・勤続年数・身分証明証など)や会社の情報(会社名・会社の電話番号・所属部署など)を話し合い、どのように退職代行を進めていくかを話し合います。
また、希望する退職日や退職代行サービスが会社に退職の意思表示を行う日時などもあれば、話しておきましょう。
3.サービス料金を支払う
担当者とのヒアリングが完了したら、サービスの内容にあった料金の支払いを行います。基本的に退職代行サービスは先払いでサービスを提供しています。
料金の支払い方法は各サービスを提供する企業や弁護士事務所によって違います。多く見られているのが、現金支払いかクレジットカード決済が一般的です。
ほかにも、Paypayやビットコイン、その他電子マネーでの支払いも増えてきました。料金の支払いを終えると、退職実行に向けての本格的な打ち合わせを行います。
4.今後の計画を話し合う
サービス利用料金の支払いを終えると、退職代行サービス実行に向けて本格的な打ち合わせを行います。
- 希望する退職日
- 退職理由
- 退職代行サービスが会社に退職の意思表示を行う日時
- 会社から借りている制服や備品の返却方法
- 有給や退職金の交渉
などの話し合いを行います。また、会社から本人や親族に連絡をしないように促してもらうなどの希望をこの段階で相談していきましょう。綿密な打ち合わせを終えると、実際に退職代行を実行します。
5.計画をもとに退職作業を行う
利用者と担当者の綿密な打ち合わせをもとに、退職代行を実行します。退職代行サービスが会社とやり取りをしている間、利用者は何もしなくてよいです。
1度で会社側が退職届を受け入れる場合もあれば、複数回にわたる交渉の場合もあります。退職の意思表示を行い、会社が受け入れ手続きを行うと退職代行は成功といえます。
6.アフターフォローを受ける
退職代行サービスの中には、アフターフォローまでサービスに入っている企業もあります。失業給付金の申請や転職後にやるべき手続きなどの相談を受けられます。
中には、人材紹介会社と提携を組んでいる退職代行サービスもあり、退職後の転職活動に役立つ「転職エージェント」の紹介を行ってもらえます。アフターフォローも最大限活用し、次の仕事への一歩を踏み出しましょう。
退職代行サービスをおすすめする人
退職代行サービスのメリット・デメリットを踏まえて、利用をおすすめする人をご紹介します。
- 会社の引き止めに弱い方
- 身体的、精神的に自分で退職手続きができない方
もちろん対象になってない方でも利用できますが、特にお勧めする方は上記の2つの項目です。それぞれ詳しく解説していきます。
会社の引き止めに弱い方
会社の引き止めに何度も退職を止められる方におすすめです。上司から言われた言葉にNOが言えず、強い引き止めに弱い若年層が多いです。会社からの圧力により、いくら辞めたくてもずるずる退職が引き延ばされてしまうでしょう。
また、責任感のある方や重要な役職についている方も、会社からの仕事を断れずそのまま退職できない傾向があります。退職代行を利用すると、直接会社とやり取りしないので退職の意思が揺るがず、スムーズに退職ができるのでおすすめです。
身体的・精神的に自分で退職手続きができない方
精神的に自分で退職の手続きを行えない方にもおすすめです。仕事量の多さでの過労による身体的ストレスや会社からのパワハラ・セクハラなどによる精神的ストレスなどにより、自分で退職手続きできない方もいます。
もし、自分で退職届を出せたとしても、会社から受理されなければ冷静な対応もできないでしょう。
こんな場合でも、退職代行サービスを利用すれば退職をスムーズに行えます。精神的ストレスで弱ってる場合でも、退職代行サービスが会社との間に入って対応してくれるので、自分で退職手続きするのが厳しい方にはおすすめです。
退職代行サービスをおすすめしない人
退職代行をおすすめする方もいますが、あまりおすすめできない方もいます。
- 金銭的に余裕がない
- 退職自体迷っている方
- 円満退社を希望する方
- 単純に手続きが面倒な方
大きく4つに分かれますが、退職代行サービスのデメリットと関係する方が多いです。もし対象の項目があれば、一度本当に退職代行サービスが必要かを確認してみてください。それでは、それぞれ解説していきます。
金銭的に余裕がない方
退職代行サービスは、サービス利用料金がかかります。本来、自分で退職手続きを行えばかかる必要のない費用です。
なので、金銭的余裕がなければサービス利用を改めて考えましょう。もしサービスを利用して退職できたとしても、その後の収入面が安定しないと生活が苦しくなってしまいます。退職後の計画を考えて、必要な資金額を明確にしてからサービス利用をおすすめします。
退職自体を迷っている方
退職自体を悩んでいる方も退職代行サービスの利用をおすすめできません。退職代行サービスは、会社に退職の意思表示を行うサービスです。退職希望者が退職自体悩んでいる場合、退職手続きも悩んだ分だけ遅れていきます。
また、大半の退職代行サービスが相談までは無料ですが、もし利用料金を振り込んだ後にキャンセルしてもお金は返ってきません。本当に会社を退職したいのかを再度自分で確認してからのサービス利用をおすすめします。
円満退社を希望する方
現在仲の良い上司や同僚と円満な関係で退職したい方の利用は、おすすめできない方の1つです。サービスを利用すると、退職代行実行日から会社とのやり取りは退職代行サービスが行うので、会社に行かなくてよくなります。
会社からすると、急に来なくなった社員に対して悪い印象しか持たないでしょう。また、行かなくなった以降の仕事を誰かがしなければならないので、ここでも関係が悪化する場合があります。
もし、人間関係を良好にして円満退社してい方は、退職代行サービスの利用はおすすめできません。
単純に手続きが面倒な方
退職代行サービスを利用する方で、退職手続きが面倒だからという方も中にはいます。このような理由の方は、サービス利用をおすすめできません。理由は、退職が簡単にできてしまうため次の会社でもすぐに辞めてしまう恐れがあるためです。
また、費用がかかったり、会社の人間関係の悪化したりデメリットもあるので、自分で退職手続きをできるのであれば退職代行サービスに頼らない方法をおすすめします。
退職代行サービス利用前に確認しておくポイント
退職代行サービスを利用するにあたって、確認しておくポイントを大きく分けて3つご紹介します。
- サービス提供会社の契約書を確認しておく
- サービス内容や料金を確認しておく
- 本当に退職代行が必要なのか改めて振り返る
確認するポイントは上記の3つになります。事前に確認しておくとトラブルに巻き込まれるリスクを軽減できるでしょう。それでは、それぞれ解説していきます。
サービス提供会社の契約書を確認しておく
退職代行サービスを利用する前に、サービスの契約書を確認しておきましょう。退職代行サービスの中には、悪徳なサービスを行っている企業が100%ないとは言い切れません。
契約時に契約書の内容を確認しておくと、運営側のトラブルに巻き込まれず退職をスムーズに行えます。また、退職代行サービスを提供している企業の中には、追加料金が発生するサービス提供の仕方をしている企業もあるので、契約時に確認しておくとよいでしょう。
サービス内容を確認しておく
退職代行サービスは、多くの企業や弁護士事務所などが運営しています。運営する団体によってサービス内容もさまざまで、退職希望者の会社での状況や環境によって最大限活用できるサービスも変わります。
ですので、サービス利用を行う前に自分に合ったサービス内容なのか確認しておきましょう。サービスだけでなく、利用料金や連絡の取り方なども比較できるので、自分の状況を1番解決できるサービスを見定めて利用すると良いです。
本当に退職代行が必要なのか改めて振り返る
退職代行サービスを利用する前に、本当に自分で退職手続きができないか確認しましょう。退職代行サービスの利用には、会社と直接手続きをしないため精神的ストレスが軽減できるなどのメリットはあります。
しかし、サービス利用金がかかったり、今まで関係が良好だった会社の上司や同僚との関係が崩れてしまったりなどのデメリットもあります。改めて、今の自分には必要なのかを振り返ってから退職代行サービスを利用するか検討しましょう。
退職代行サービスの選び方
ここでは、退職代行サービスの選び方をご紹介します。
- 弁護士事務所と一般企業のどちらを選ぶか
- サービスの金額
- サービス内容
- 検討している退職代行サービスの評判や口コミ
選び方はさまざまですが、大きく分けて上記の4つになります。それでは、それぞれ見ていきましょう。
弁護士事務所と一般企業のどっちを選ぶか
まず退職代行サービスを運営している団体として、「弁護士事務所」と「企業」の2つに大きく分かれます。利用する上でのメリットやデメリットがあり、利用する方の状況によって活用できるケースも変わってきます。それぞれ詳しく解説していきます。
弁護士事務所の場合のメリット・デメリット
弁護士事務所での退職代行サービスでは、会社と退職条件についての交渉ができるメリットがあります。
これは弁護士法第72条で、弁護士以外の人が報酬目的で法律相談や第三者の仲介や和解を行ってはいけないと定められています。ですので、会社と給与や有給の交渉を行いたい場合であれば、弁護士事務所の退職代行サービスを利用して下さい。
デメリットとしては、企業が提供している退職代行サービスに比べて料金が高いです。現在の貯蓄や退職後の資金が十分にそろってから利用するといいでしょう。
一般企業の場合のメリット・デメリット
一般企業が提供する退職代行サービスでは、料金が安いというメリットがあります。退職代行の相場が3~5万円とされていますが、1万円台でサービスを提供している企業もあります。できるだけ格安で退職をしたい方におすすめです。
デメリットとしては、悪徳業者のサービスを利用してしまう危険性があります。弁護士事務所を利用するメリットでもあったように、基本的に会社との交渉は弁護士でないといけません。
その弁護士法を無視した一般企業が会社と交渉を行った場合、利用者もトラブルに巻き込まれる可能性があるので注意が必要です。
サービス提供の金額
サービス提供の金額も、選ぶ際の基準になります。一般的に自分で退職の手続きや話し合いを行う場合、料金は一切かかりません。ですが、退職代行サービスを利用すると、サービス利用料として料金が発生します。
金額の相場は3~5万円と言われており、サービス内容と料金は提供している団体によって異なります。退職後の転職活動にもお金は必要となってくるので、現在の貯金額にあった金額のサービスを選ぶと良いでしょう。
サービス内容
弁護士事務所や一般企業などの団体によって、退職代行のサービス内容は異なります。退職条件の交渉や退職に関する法律相談、退職後のアフターフォローなど、各団体によってさまざまなサービスを提供しています。
現在の職場環境や給与・有給の規約など、退職時の問題を1番解決できるサービスを選ぶのをおすすめします。もちろん、サービス内容と比例して料金も上がりますが、同じサービスでも安く提供している場合もあるので比較してみると良いでしょう。
検討しているサービスの評判や口コミ
利用を検討している退職代行サービスの評判や口コミを踏まえた選び方もおすすめします。実際の利用者からの使いやすさや実績などのリアルな感想を聞けるメリットがあります。
自分の境遇の似た利用者の方がうまく退職ができているのであれば、自分も退職代行を成功できる可能性が高いでしょう。
ですが注意点として、評判や口コミがすべて正しいわけではないという点です。過去の利用者に、サービスが偶然合わなかった場合もあるので選ぶ要素の1つとして考えると良いでしょう。
主な退職代行サービス一覧
ここからは、退職代行サービスを行っている弁護士事務所や一般企業をご紹介していきます。
- 退職代行ニコイチ
- 退職代行Jobs
- 退職代行ガーディアン
- 辞めるんです
- 弁護士法人みやび
- Re:Start
- 退職代行SARABA
- 男の退職代行
- わたしNEXT
- retry
- 退職代行ニチロ―
- DropGate
各転職代行サービスによって特徴や料金が変わるので、自分に合った退職代行サービスを見つけてみてください。それでは、それぞれご紹介していきます。
退職代行ニコイチ
(出典:退職代行ニコイチ公式サイト)
特徴
- 創業17年で培った経験とノウハウがある
- 弁護士が監修した豊富なサービスの提供
- サービス料金も業界最安値級
料金
- 27,000円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
- 電子マネー決済
退職代行ニコイチは、2022年現在17年の実績を誇る退職代行サービスです。
サービス内容は弁護士が監修をしており、退職成功実績100%(ホームページより)を誇っているのが特徴です。料金も27,000円(税込)と、退職代行業界のなかでは最安値級でサービスを提供しています。
そのほかにも、転職エージェントの紹介や申し込みから最短で即日退職が行うサービスを提供しており、サービスの豊富さが伺えます。
退職代行Jobs
(出典:退職代行Jobs公式サイト)
特徴
- 24時間365日で対応可能
- 退職できなければ全額返金
- 顧問弁護士指導による「有給休暇申請サポート」
料金
- 安心パックプラン29,000円(税込)
- シングルパックプラン27,000円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- 現金翌月払い
退職代行Jobsでは、顧問弁護士が指導をおこなった労働組合が提供する退職代行サービスです。
全ての都道府県での実績があり、24時間365日の対応を行っています。特徴としては、有給休暇の無料申請サポートがあるので、会社に有給休暇の交渉を行ってほしい方におすすめです。
また、後払いでの決済もでき、もし退職ができなかった場合でも全額返金の保証付きなので、気軽にサービスの利用が行えます。
退職代行ガーディアン
(出典:退職代行ガーディアン公式サイト)
特徴
- 365日、全国どこでも即日対応ができる
- 雇用形態関わらず、追加料金も発生しない
- 東京都労働委員会に認証されているので安心安全に退職できる
料金
- 29,800円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
退職代行ガーディアンは、労働組合法人が運営している退職代行サービスです。
東京都労働委員会に認証されている法適合の合同労働組合なので、退職代行を行った際に訴えられたケースは1度もなく安心してサービスを受けられます。全国365日の対応を行っており、休日でも深夜でも丁寧な対応を行っています。
そのほかに、退職届や会社から借りている制服や備品の返却も郵送で行うので、1度も会社に出社せずに退職ができるのも特徴です。
辞めるんです
(出典:辞めるんです公式サイト)
特徴
- 顧問弁護士による業務指導で適切な業務範囲での活動
- 7000件の実績件数
- サービス料金27,000円(税込)で後払い可能
料金
- 27,000円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
辞めるんですは、後払い可能の退職代行サービスです。
顧問弁護士から業務指導を受けており、弁護士法に違反しない適切な業務範囲でのサービスの提供を行っています。料金も業界最安値級の27,000円(税込)となっており、もし退職代行が失敗してしまった場合は、全額返金でのサービスを行っているのも特徴です。
また、最初の無料相談では電話相談のほかに、LINEでの相談も受け付けているので手軽に利用できます。そして、辞めるんですを申し込むと、期間限定キャンペーンとして退職届のテンプレートを配布しているサービスもしています。
弁護士法人みやび
(出典:弁護士法人みやび公式サイト)
特徴
- 弁護士による退職代行サービスの提供
- 24時間LINEでの受付対応
- 他社で断られた困難なケースでもOK
料金
- 55,000円(税込)
- オプション費用:回収額の20%(残業代や退職金などの請求)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
弁護士法人みやびは、弁護士による退職代行サービスです。
弁護士が直接対応するので、弁護士法に定められている残業代や退職金、有給休暇などの交渉ができます。また、他社で断られるほどの困難なケースでもサービスが利用できるので、現在の環境でトラブルを抱えている方におすすめです。
そのほかには、24時間全国でLINE受付を対応しているので、まずは無料相談をしてみると良いでしょう。
Re:Start
(出典:Re:Start公式サイト)
特徴
- 最短即日退社可能
- 追加費用なしで全額返金保証サービス
- キャンペーン中では最大19,000円OFF
料金
- 正社員・契約社員44,000円(税込)
- アルバイト・パート33,000円(税込)
※キャンペーン価格では、両方25,000円
お支払方法
- 銀行振込
Re:Startは、即日で退職代行の対応を行う退職代行サービスです。
申し込みから最短30分で会社に退職電話をかけるスピード感で対応し、すぐにでも退職したい方におすすめです。現在の職場環境や退職後などの不安要素もLINEで無料相談できます。
また、万が一退職代行が失敗しても全額返金保証を行っているので、安心して利用できます。そのほかに、退職後に必要な書類や転職先の支援などのアフターサポートを行っているのもRe:Startの特徴の1つです。
退職代行SARABA
(出典:退職代行SARABA公式サイト)
特徴
- 24時間365日無料相談OK
- 成功率98%の有給消化サポート
- 驚異の24,000円(税込)でのサービス料金
料金
- 24,000円(税込)
お支払方法
- クレジットカード決済
退職代行SARABAは、労働組合が運営している24時間365日対応可能の退職代行サービスです。
電話やメール、LINEでの無料相談ができ、相談回数は無制限となっています。また、退職代行SARABAを申し込むと2大特典がもらえます。特典内容は、「行政書士が監修した退職届の配布」と「成功率98%の有給消化サポート」の2つです。
特に行政書士が監修した退職届は、即日退職希望や有給休暇消化希望など利用者の状況に応じた退職届が貰えるメリットがあります。
そのほかに、業界最安値の24,000円(税込)でアフターサービス込みの退職代行サービスが受けられるのも、退職代行SARABAの特徴です。
男の退職代行
(出典:男の退職代行公式サイト)
特徴
- JRAA(日本退職代行協会)より「特急認定」取得
- 日本初の男性専門の退職代行サービス
- お客様満足度98.3%を誇る実績
料金
- 正社員・契約社員・派遣社員・内定辞退 26,800円(税込)
- アルバイト・パート 19,800円(税込)
- ヤメホー(サブスク退社) 月額3,300円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
- デビットカード決済
- 電子マネー決済
- コンビニ決済
- 現金翌月払い
男の退職代行は、日本で初めての男性専用の退職代行サービスです。
JRAA(日本退職代行協会)より100以上の厳正な検査項目をクリアし「特急認定」取得しているので、安心して利用できます。料金もリーズナブルな価格でサービスを利用でき、業界初の「サブスク退社」でのサービスを提供しているのが特徴です。
また、男の転職代行が厳選した転職エージェントをご紹介するアフターフォローなども充実しており、利用者の98.3%が満足して退職代行サービスを利用できています。
わたしNEXT
(出典:わたしNEXT公式サイト)
特徴
- 女性向けの退職代行サービス
- リーズナブルな価格でのサービス提供
- JRAA(日本退職代行協会)より「特急認定」取得
料金
- 正社員・契約社員・派遣社員・内定辞退 29,800円(税込)
- アルバイト・パート(社会保険未加入者) 19,800円(税込)
- ヤメホー(サブスク退社) 月額3,300円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
- デビットカード決済
- 電子マネー決済
- コンビニ決済
- 現金翌月払い
わたしNEXTは、女性専門の退職代行サービスです。
JRAA(日本退職代行協会)にて特急認定されており、「女性が選ぶNo1」「顧客満足度No1」「対応スピードNo1」「リピート率No1」「友達紹介率No1」と数々の実績を誇っているのが特徴です。
また、料金もリーズナブルな価格となっており、支払い方法も豊富で利用しやすい退職サービスです。そのほかに、「ヤメホー(サブスク退職)」も完備されており、すぐにでも退職したいけどお支払いが難しい方にやさしいサービスも行っています。
EXIT
(出典:EXIT公式サイト)
特徴
- 年間10,000人以上の退職者をサポート
- 2回目以降の利用は10,000円引き
- 転職サポートを利用して転職すると実質0円
料金
- 正社員・契約社員 50,000円(税込)
- アルバイト・パート 30,000円(税込)
※キャンペーン価格 両方20,000円(2022年2月現在)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
EXITは、年間10,000人が利用している転職代行サービスです。
電話やメール、LINEでの24時間対応を行っており、相談をした当日から退職代行を行います。2022年2月現在のキャンペーン価格として、雇用形態に関わらず20,000円(税込)での退職代行をおこなってもらえます。
また、EXITを利用して転職し、次の転職先も肌が合わずEXITを利用すると、1万円ディスカウントで利用できるのも特徴の1つです。
そして、最大の特徴としてEXITが指定した転職エージェントを利用して転職をした場合、退職代行料金をキャッシュバックするサービスを行っています。
retry
(出典:retry公式サイト)
特徴
- 申し込みからその日のうちに対応可能
- 万が一退職代行に失敗しても全額返金保証
- 電話・メール・LINEでの無料相談可能
料金
- 正社員・派遣社員・契約社員 30,000円(税込)
- アルバイト・パート 20,000円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
retryは、即日対応を行ってくれる退職代行サービスです。
行政書士事務所が運営しており、営業時間内ではありますが、申し込みから迅速に当日退職代行を行います。
無料相談も電話やメール、LINEでの相談を行っており、実際の退職代行時もLINEで打ち合わせを行うので、退職代行スタッフと顔を合わせずに退職手続きを進められます。
また、万が一退職代行が失敗したとしても、サービス利用料金を全額返金するので安心してサービスを利用できます。そのほかに、有給休暇や退職金の交渉を行えるので、無料の相談時に話しておくと最大限サービスを利用できるでしょう。
退職代行ニチロ―
(出典:退職代行ニチロ―公式サイト)
特徴
- 早朝や深夜関係なく24時間対応
- 業界最安値級の25,000円(税込)
- 会社との給与や有給の交渉が可能
料金
- 25,000円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
退職代行ニチロ―は、労働組合が運営する退職代行サービスです。
労働組合は団体交渉権を持っており、会社と給与や退職金、有給消化などの交渉が行えます。また、弁護士・社労士・税理士の各分野に特化したスペシャリストのサポートを受けた、退職代行サービスを提供しているのも特徴です。
利用料金も業界の中では最安値級の25,000円でサービス提供しており、メールやLINEで24時間対応を行っているので、夜勤での利用者にも使いやすい退職代行サービスとなっているのも特徴の1つです。
DropGate
(出典:DropGate公式サイト)
特徴
- 業界最安値の9,890円(税込)
- 弁護士と社労士が監修した退職代行サービス
- LINEのやり取りのみで即日退社可能
料金
- 9,890円(税込)
お支払方法
- 銀行振込
- クレジットカード決済
DropGateは、業界最安値の9,890円でサービスを提供している退職代行サービスです。
雇用形態は関係なく、追加料金も一切なしで利用できます。安いだけでなく、弁護士と社労士による監修で質の高いサービスを提供しているのが特徴です。
また、LINEのやり取りだけで無料相談から退職手続きまで全部行え、最短で即日退社が可能になります。そのほかにも、税金関係の書類や転職後に必要となる書類関係のアフターフォローも行ってもらえるので、安心した退職手続きが行えます。
まとめ
現代において、雇用者と会社の間で問題が起きて退職者の割合が増えてきました。その中で、雇用者自身が退職届を出せないひとが増え、退職代行サービスの需要が高くなっています。
今回は退職代行サービスについて解説していきました。相場で3~5万円の利用料金を支払えば、会社に退職の意思表示から給与・有給消化・退職金の交渉など豊富なサービス内容で退職者の負担を軽減させています。
もちろん、自分自身で退職手続きを行えば、費用もかからず会社の方とも円満な退職が送れますが、次の転職先での成功を目指して手間を少なくするのも1つの方法でしょう。
そして、なかなか退職に踏み切れない方も退職代行を最大限活用すれば、退職へのきっかけになるので、本記事を参考に素敵なセカンドライフを描いた1歩を踏み出してください。
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