浮気が発覚し「カップル間で浮気された場合、精神的苦痛として慰謝料を請求することは可能?」「結婚していない同棲状況だけど傷ついた分の慰謝料がほしい」と考えていませんか。
真剣に交際をしているにも関わらず、交際相手から不貞行為を働かれたら傷つくのは当然ですし、許せない気持ちでいっぱいになります。
しかし、基本的には契約関係にない状況下での慰謝料を請求することはできません。ただし、状況によっては慰謝料請求を認められるケースもあります。
そこで、本記事では恋人から慰謝料請求が認められる場合と認められない場合、慰謝料の相場を徹底解説。また、本格的に請求するに当たり、弁護士へ依頼するメリットや弁護費用の相場も記載しているので併せて参考にしてみてください。
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浮気した恋人への慰謝料の請求は基本できない
浮気をされた場合、浮気された側にとってはなぜ浮気をして傷つけられている身でありながら慰謝料請求できないのかと、疑問に感じたことはありませんか?
結論からいうと、ここでの最も大きな違いは”法律によって守られているかどうか”です。恋愛は法律に守られていない自由な環境で行動することで、結婚は法的に結婚している状態です。
つまり、結婚は法律的な契約関係のもと成り立っている関係性で、恋愛は法律的な関係性を結ばずして成り立っている関係性になります。
そのため、法律に基づく関係性を壊すと慰謝料請求できることになります。
浮気の慰謝料を請求できるケース
浮気で慰謝料を請求することは、基本的にはできませんが、以下の4つのケースであれば、慰謝料を請求することは可能です。
故意・過失があった場合
故意・過失とは、当事者の行動で損害・被害が発生することを事前に認識できたにも関わらず、不注意でそれを認識しないことを言います。
故意は、完全に自分で認識している状態であり、過失は、認識できたが不注意により、認識できなかった状態です。
故意・過失が認められるケースは、以下の3つがあります。
fa-pencil故意・過失が認められるケース
・相手が既婚者であることを知っていながら、肉体関係を持った
・浮気相手が既婚者と浮気している事実があるにも関わらず、それを把握していなかった
・既婚者が婚姻関係がすでに解消されていると、事実確認を怠り、肉体関係を持った
「既婚者であること」、「肉体関係にあること」この2つがポイントになります。しかし、例外はもちろんあります。
・出会い系サイトなどで知り合い、素性がわからない状況で肉体関係をもった
・強制性交、脅迫など浮気相手の意思に反して、肉体関係を持った
この2つの例外に関しては、故意・過失として認められることはありません。
権利侵害を受けた場合
権利侵害とは、パートナーが浮気をしたことで、「平穏な婚姻生活を送る権利」を侵害・破壊されることを言います。その損害賠償として、慰謝料を請求することが可能です。
権利侵害が認められるケースは、以下の2つがあります。
権利侵害が認められるケース
1:浮気により、それまで円満だった関係が悪化し、婚約を解消した
2:浮気相手とパートナーに肉体関係の事実はないが、夫婦の関係が破綻するほど親密な関係になっていた
しかし、もともと夫婦の関係が悪化していた状態で共同生活がすでに破綻している場合は、権利侵害と認められません。
婚約している場合
婚約は、二人の間で「将来、結婚する」という確定的な合意さえあれば、特別な手続きをすることなく成立します。二人の合意のもと婚約は行われるので、これは立派な「契約」です。
浮気によって、この契約が不当に破棄された場合には、契約の債務不履行(=約束違反)に該当します。
内縁関係にある場合
内縁は、当事者の意識や生活実態から夫婦同然の生活をする男女の関係のことです。
婚約届の提出も行っていないため、正式な夫婦と認められるものではありません。
しかし、夫婦としての関係(同居・協力・扶助義務や、貞操義務を負う関係)である意思を持つ状態です。
内縁関係にあるにも関わらず、浮気で精神的損害を受けた場合、内縁解消に対する慰謝料を請求することはできます。
内縁関係に認められるために必要なもの
内縁関係が成立するためには、以下2つの条件を満たすことが必要です。
2.婚姻意思に基づいた共同生活がある
婚姻意思はあるものの共同生活を行っていない、共同生活の事実は存在するが、婚姻意思を持たない関係は、原則として内縁関係と認められない。
浮気されても慰謝料を請求できないケース
たとえ慰謝料を請求できる条件に当てはまっていたとしても、あなたが慰謝料を請求できないケースが2つだけあります。
精神的に十分な報酬を得ている
パートナーから精神的な負担が解消されるほどの慰謝料をすでに受け取っている場合は、浮気相手にも慰謝料を請求することはできません。
たとえば、あなたがパートナーから妥当な金額である100万円の慰謝料を受け取っていた場合、浮気相手には慰謝料を請求することができないということです。
慰謝料を請求する理由が浮気だけでなく、暴力など他の理由もあった場合は、浮気相手にも慰謝料を請求することができます。
時効を迎えている
慰謝料を請求するにも、時効が存在します。浮気行為の事実、または「浮気相手が誰なのか」を知った時点から3年が過ぎると慰謝料の請求はできません。
もし、浮気のことを知ってから、日が経っているのであれば、早く行動に移すことをおススメします。
浮気の慰謝料の相場
浮気の慰謝料は、ケースによってその金額が変動していきます。ここから慰謝料の相場についてお伝えしていきますが、あくまでも目安程度に考えてください。
浮気の慰謝料の相場は30万円~300万円
浮気の慰謝料相場は、30万円~300万円までと状況によって、大きく金額が変動しています。
精神的な苦痛の度合いによって、慰謝料の金額が変わっていくことが多いです。恋人としてどんなお付き合いをしてきたのか、精神的負担の大きさを証明することが重要になります。
慰謝料の請求額が大きいケースは、浮気が原因で婚約関係の不当破棄になった、婚姻予約の債務不履行責任の追及などです。
婚約の場合よりも少なくなる
婚姻を交わしていない段階では、慰謝料の請求額も低くなる傾向があります。
そもそも浮気の慰謝料は、「平和な結婚生活を送る権利」を侵害されたことで請求できる精神的な損害賠償です。
浮気で請求できるケースもありますが、夫婦関係にないので請求できる金額も少なくなります。
浮気の慰謝料を増やす方法
浮気の慰謝料が増えるケースは、以下のとおりです。
・結婚式や新婚旅行の予定もあった
・現在、妊娠している
・婚約破棄になった
・相手が全く反省しない
・パートナーが浮気を主導している
・浮気が原因で精神障害になり通院している
これらに当てはまれば、慰謝料を多く請求できる可能性が高いです。慰謝料は被害者が受けた精神的苦痛になります。
また、慰謝料を請求するポイントとして、相手に支払い能力があることが大前提になります。どれだけ高額な慰謝料を請求しても、相手に支払い能力がなければ、慰謝料の金額を見直さなければいけません。
浮気されたときの慰謝料の請求方法
一般的な慰謝料請求の流れは、以下の3つになります。各項目ごとに注意点を記載しているので、ぜひ確認してください。
話し合い
浮気した当事者や浮気相手と話し合い、慰謝料の金額や支払い方法などを決めていきます。
損害賠償の条件を双方で確認し、合意書を書面にて作成してください。相手から無事に支払いが完了すれば、解決になります。
支払われなかった場合は、裁判など視野に入れなければいけません。
郵送
必要書類を相手に送る場合は、内容証明郵便にすることが必要です。内容証明郵便とは、発送した書類と同じ控えが手元に残る郵便になります。
直接手渡しで相手に届けられるために、相手も損害賠償を請求されている実感をより強く感じさせることができます。
SNSや電子メールなどよりも、相手が慰謝料をしっかりと支払う可能性が高くなるので、内容証明郵便を利用することがおススメです。
裁判をする
相手が損害賠償の話し合いや支払いに応じなかった場合は、裁判で慰謝料を請求します。
話し合いが成立しない状況でも、相手に慰謝料を請求できるのが裁判です。しかし、裁判を起こせば、必ず満足のいく慰謝料がもらえるというわけではありません。
・支払う慰謝料の金額は妥当なのか
・慰謝料の支払い方
なども考慮されるので、裁判をすることがベストなのか、判断が必要です。
慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
浮気による慰謝料請求は、自分で進めるよりも法律のプロフェッショナルである弁護士に依頼することもできます。
実際に慰謝料の手続きや裁判になれば、弁護士の力が必要になることでしょう。弁護士に依頼することで、どんなメリットがあるのか、ポイントをまとめてみました。
手続きをすべて任せられる
慰謝料請求や裁判になった場合、内容証明書や請求書など法的に機能する書類を作成する必要があります。
しかし、弁護士に依頼することで、プロの知見を借りることができます。また、慰謝料請求の問題から、距離を取ることもできるので、精神的負担が軽減されることが利点です。
慰謝料請求の相手と直接話さなくて済む
慰謝料を請求する相手との話し合いは、お互いに感情的になるケースも多く、満足のいく会話を行うことができません。
相手も慰謝料を取られるとなると、自己保身に走るので、さらに心無い言葉を浴びせてくる可能性もあります。
裁判所に行かなくても済む
たとえ話し合いがうまくいかず、裁判を起こしたとしても、弁護士に依頼していれば、自分が裁判所に出向く必要はありません。
ただ、本人尋問が行われる時だけ、裁判所に出向く必要が出てきます。しかし、裁判所に提出する書類や裁判所とのやり取りもすべて請け負ってくれます。
依頼者に最も有利な形で解決できる
弁護士に依頼すれば、あなたに有利な形で裁判を進めることができます。これまでの経験やノウハウを活用できるだけでなく、法律のプロが理想の解決策を一緒に考えてくれます。
また、交渉から裁判まで一貫して対応してもらえるので、非常にスムーズに依頼者が望む形で進めることができます。弁護士に依頼すれば、はじめから裁判になることを見据えて、法律に則った対応を取ってくれます。
浮気案件の弁護士費用の相場
一般ではあまり知られていない弁護士費用の相場ですが、不明瞭なため高額な金額をイメージする人も多いです。また、報酬体系も2つあります。
着手金
着手金とは、依頼する案件を着手するための料金のことです。弁護士によって料金は変わってきますが、「着手金+成果報酬」が主な料金体系です。相場は20万円~30万円と言われています。
弁護士費用は、裁判を有利に進めてもらうために、弁護士を依頼する際に発生する費用のことです。
弁護士費用は、着手金、報酬金、法律相談料、日当、タイムチャージで構成されています。
着手金 | 依頼時に必ず必要になる費用。(最低金額10万円~) |
---|---|
報酬金 | 成果報酬により、勝訴した場合に支払われる金額。敗訴の場合は発生しない。 |
法律相談料 | 弁護士に相談した時間に応じて発生する費用。 |
日当 | 裁判に出席するなど弁護士が事務所外に出る際に発生する費用。 |
タイムチャージ | 作業時間に応じて発生する費用。 |
民事訴訟の着手金は、日本弁護士連合会報酬等基準により以下の方法で算出されています。
【着手金】
経済的な利益額 | 弁護士費用 |
---|---|
300万円以下 | 経済的利益の8% |
300万円超3000万円以下 | 経済的利益の5%+9万円 |
3000万円超3億円以下 | 経済的利益の3%+69万円 |
3億円超 | 経済的利益の2%+369万円 |
裁判に勝訴し、400万円の慰謝料を請求していた場合、
報酬金
報酬金とは、依頼された案件の成功度合に応じて、支払いをする弁護士費用のことです。もし、成果が出なかった場合は、成果報酬は支払わなくてもいいです。
報酬金の支払いは、獲得した慰謝料から引かれていきます。そもそも慰謝料は、一度弁護士事務所に入金される仕組みになっています。その後、弁護士費用が清算されて、依頼者に残り分が支払われるのが一般的です。
報酬金も着手金と同様に日本弁護士連合会報酬等基準で料金が算出されています。
【報酬金】
経済的な利益額 | 弁護士費用 |
---|---|
300万円以下 | 経済的利益の16% |
300万円超3000万円以下 | 経済的利益の10%+18万円 |
3000万円超3億円以下 | 経済的利益の6%+138万円 |
3億円超 | 経済的利益の4%+738万円 |
裁判に勝訴し、400万円の慰謝料を請求していた場合、
みなし成功報酬事項には要注意
みなし成功報酬は、依頼案件がすべて解決していなくても、弁護士側が成功したとみなし、成功報酬を請求することです。
これは、依頼された案件が解決に向かっているにも関わらず、依頼者の都合で弁護士を解任した場合に活用されます。
弁護士に支払う成功報酬が惜しくなり、弁護士を解任して、直接相手と示談するなど、弁護士側が不利益を被らないためにこの条項があります。
みなし成功報酬の事項がある限り、途中で弁護士を解任しても、成功報酬を請求されることがあるので、覚えておいてください。
まとめ
基本的には、内縁関係にない恋人に慰謝料を請求することはできません。しかし、内縁関係にあれば、慰謝料を請求することは可能です。
浮気の場合は、比較的に請求できる慰謝料も少なくなってしまいますが、増額できるケースもあるので、「自分に当てはまるかどうか」しっかりと確認してください。
弁護士を利用することで、高額な慰謝料請求できる可能性も高くなります。ぜひ相談してみてください。